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川棚川
【かわたながわ】


佐賀県武雄市と同県嬉野町境の桃の木峠を水源とし,東彼杵(ひがしそのぎ)郡川棚町で大村湾へ注ぐ2級河川。流路延長21.8km・流域面積81.44km(^2)。支流として同郡波佐見町内に上流より中尾川・井石川・金屋川・川内川が左岸から,野々川川・田別当川・村木川(支流で最大,流路延長3.2km・流域面積14.0km(^2))・皿山川・長野川・志折川が右岸から流入する。さらに川棚町に入ると左岸から猪乗川・石木川,右岸から中山川が流れ込む。本支流の沿岸は県下有数の穀倉地帯(約1,000ha)をなし,農業灌漑用水,波佐見町における陶磁器工業用水あるいは佐世保市・川棚町・波佐見町の上水道用水供給河川として極めて重要な河川である。また,川棚川の総合開発事業の一環として,石木川(流路延長4.5km・流域面積12.4km(^2))の川棚町川原地先に多目的ダムの建設が計画されている。総事業費200億円。堤高56.5m・堤頂長273m,堤頂幅4mの直線重力式コンクリートダムで,総貯水量674万m(^3)・直効貯水容量644万m(^3)。洪水調節(ダム地点の計画高水量毎秒280m(^3)のうち毎秒210m(^3)の洪水調節を行い,ダム地点下流の水害を防除する),流水の正常な機能の維持(ダム地点下流の石木川沿岸の既得用水の補給を行う等流水の正常な機能の維持と増進をはかる),上水道用水の供給(佐世保地区に上水道用水1日6万m(^3)の取水を可能ならしめる)を目的とする。このダムが完成すると,3,210aの水田,1,640aの畑,1,180aの山林,4万8,600m(^2)の宅地(住家64戸,非住宅20棟),墓地1,000m(^2),町道5,900m(^2)等が水没することになる。しかし,昭和47年に計画が発表されて以来,ダム建設に対する地元住民の反対が根強く,同60年4月現在着工の見通しは立っていない。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220319