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郷美谷池
【ごうびだにいけ】


佐世保市里美町上宇戸にある池。貯水量48万m(^3)。相浦川の上流地域(通称柚木(ゆのき)谷)の水田灌漑を目的として藩政時代に松浦藩侯によって築造された溜池で,多大の役割を果たしたが,時代の推移とともに水田面積が拡大し従来の貯水量では不足がちとなり,溜池拡張工事が地域住民の課題となった。当時の柚木村関係者の献身的な努力によって現在の大溜池が昭和11年12月起工,同17年11月竣工した。堤畔の記念碑の碑文によれば,総工費14万8,000円中,半額の7万4,000円を国庫より,残りの半額を県と地元の折半負担による県営事業として着工されている。地元住民が県営溜池と呼んでいるのはこのことに由来するものであろう。拡張の際は従来の堤防はそのままにして,その外側に新しい堤防を築いたということで,渇水時には古い堤防跡が見られるという。相浦川流域最大の溜池で一帯の干害防止,地域開発に大きな役割を果たしている。すぐ下流には佐世保市の重要な上水道用川谷水源池がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220656