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五島列島
【ごとうれっとう】


県本土の西約100kmに位置する,北東~南西に分布する列島。面積636km(^2)。五島列島の島々は141,そのうち常住島は30。福江島・久賀島・奈留島・若松島・中通島の5大島が中心で,北方に小値賀(おぢか)島・宇久島,東方に平島・江ノ島,そして南西方に男女群島を配している。奈留島から北を上五島,南を下五島という。行政的には福江市と南松浦郡有川町・上五島町・岐宿(きしく)町・新魚目町・玉之浦町・富江町・奈良尾町・奈留町・三井楽(みいらく)町・若松町の10町を五島支庁が管轄している。農業・漁業が基幹産業で,商業が増加の傾向にある。工鉱業はきわめて少ない。交通は九州商船のフェリーが就航し,飛行機も日本近距離航空・長崎航空が就航して,本土との距離は著しく短縮された。地形的には平坦地に乏しく,海岸は無数の江津をなし溺れ谷が発達している。玉之浦湾・若松瀬戸は景勝地として知られている。福江島のアスピーテ・ホマーテは日本では数少ない火山の学術的資料として貴重。気候は対馬暖流の影響で温暖であるが台風も多い。平均気温17℃,降水量2,111mmでこの地を北限とする亜熱帯植物も繁茂している。地質は古第三紀の砂岩・頁岩および玢岩よりなっている。「古事記」に「知訶島」として紹介され,中国との関りが深く,中国からは「五峰」といわれ遣隋使・遣唐使の船渡しの地として重要であった。また倭寇の根拠地が置かれた。五島の領主としては,宇久島に本居を置いた宇久氏が,ほぼ戦国期に福江島に移り,近世初頭五島氏と改め,藩政をしいて明治維新にいたった。昭和30年西海国立公園として指定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220742