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嵯峨島
【さがのしま】


福江島北西部の貝津港から西方5kmにある島。南松浦郡三井楽(みいらく)町に所属する。面積1.73km(^2)・周囲9.9km。瓢箪を縦に割って伏せたような形をしている。北部にホマーテの男岳(151m),西部にアスピーテの女岳(130m)があり,ほぼ中央部で2つの火山が結合している。両火山ともに火口付近まで荒波に削り取られ,火山の断面,つまり海食壁が火柱を吹きあげた当時の凄惨さを物語っている。西海岸は海食がひどく,多くの奇岩・海食洞をみることができる。火山が波浪によってくりぬかれたアーチ型の洞門,十数個のポットホールなどがみられる。男岳のふもとは広い草原になっており,島の子供たちが5~6頭の牛を連れて草原に放牧する。キャンプなども盛んである。その昔,京の嵯峨地方より罪人を運びこの島で突き落としたといわれており,オーモンデーという南洋的な念仏踊りも8月の盆頃の行事として残っている。火山海食崖は昭和34年5月19日県天然記念物,オーモンデー踊りは遣唐使時代末に南シナ海沿岸から伝えられたといわれ,同35年3月県無形民俗文化財に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220874