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佐須川
【さすがわ】


対馬の南西部,下県(しもあがた)郡厳原(いずはら)町を流れる2級河川。矢立山の山系に源を発し,北流また西流して対馬海峡に注ぐ。流路延長6.687km・流域面積40.17km(^2)。いくつもの支流を合わせ,川筋に沿って日掛・大板・士富・若田・経塚・床谷・下原・樫根・小茂田と多くの集落が連なり,散村を形成して佐須と総称される。佐須は旧郷名でもあるが,その初見は「日本後紀」の弘仁3年正月条に「対馬島下県郡佐須浦」とある。古代銀山の地として知られ,樫根の裏河内に「銀之本」と称する地名があり,本流の畔に銀山神社(式内社)がある。床谷は近世再開発した銀山の拠点で,近代の東邦亜鉛対馬鉱業所もこの地を本拠として操業した。小茂田は川口の開拓地で,元寇の古戦場として知られ,宗資国以下戦死した将兵を祀った小茂田浜神社があり,流域の方々に伝説地がある。上流の若田は名硯の産地で,いわゆる若田石は川床から出る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7220929