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地方
【じかん】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の広域地名。肥前国彼杵(そのぎ)郡のうち。大村藩の農村支配のために設けられた4つの地区の1つ。大村湾の東部一帯に位置し,現東彼杵郡に相当する。元和3年の朱印状によれば,大村・郡・萱瀬・鈴田・三浦・江串・千綿・彼杵・川棚・波佐見・宮の11か村からなり,合計朱印高は1万7,550石余。ただし,その後分村が行われ,郡村が竹松・福重・松原の3か村に,波佐見村が上波佐見・下波佐見の両村に分かれ,14か村となった。「大村郷村記」によると,安政3年の竈数1万1,421・人口4万6,854,宗旨別人数の内訳は天台宗163・浄土宗6,547・日蓮宗2万1,373・真言宗3,048・浄土真宗1万5,723。大村藩形成期に大村湾沿いの藩領に日蓮宗を,その他の藩領に浄土真宗を布教するという宗教政策がとられたために,日蓮宗信徒が多い地域となっている。生産高で総朱印高の約6割,人口の面で藩内総人口の約4割を占め,また城下を含む地域とあって,藩内で最も活気あるところであった。現在の大村市,東彼杵郡東彼杵町・川棚町・波佐見町,佐世保市の一部にあたる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7221012