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島原湾
【しまばらわん】


長崎・佐賀・福岡・熊本の4県に囲まれた胃袋状の輪郭をした湾。九州西部に深く湾入し,総面積1,700km(^2)で東京湾・伊勢湾に匹敵する。海図の上では島原海湾といい,湾奥部を有明海という。地体構造上は中央構造線に沿った陥没帯である。当湾には本明川・筑後川・六角川など約90の大小河川が流入しているが,その流出口は島原半島瀬詰崎と天草下島間の約5kmの早崎瀬戸と八代海に通じる本渡,柳,三角の各瀬戸のみで閉鎖性が強い。このため内陸から流入した浮泥は懸濁したまま長時間湾内に滞留して透明度を低くし,やがて沈降して湾奥部に干潟を発達させる。島原沖から湾口部にかけての海底は岩盤が露出し,水深50~60mに達するが全体の5%しかなく,全体的には水深20mと浅い。漁業は湾奥では採貝・待網漁やノリ養殖などの干潟漁業,湾央から湾口にかけては,内海性から外洋性に変化する浅海となっているので一般的な沿岸漁業(釣延縄・流し網・底引網など)のほか採貝・採藻なども営まれている。また,この湾は近くに雲仙天草国立公園・阿蘇くじゅう国立公園など大観光地をひかえ,島原~三角,口之津~鬼池,多比良~長洲の各方面にフェリーが航行し,海上交通路としても重要である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7221085