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島山島
【しまやまじま】


対馬の中央部南寄り,浅茅(あそう)湾の中にある島。下県(しもあがた)郡美津島町に所属する。外浅茅と内浅茅を分けるのはこの島山があるからで,西側は外浅茅,北側は内浅茅(濃部浅茅湾),南側は竹敷湾に面し,東側は狭瀬戸という細い水道によって対馬本島と切れる。海岸線が複雑でよもや島とは見えないが,狭瀬戸が切れているからには島である。対馬には大小100余の属島があるが,その中で在来の村落を有するのは島山だけで,面積4.710km(^2)。島の名も村の名も島山という。地理的に島名を付ければ島山島ということになるが,通称的には島といわない。浅茅湾は溺れ谷の典型といわれるが,島山の外浅茅に面した四十八谷は,断層海岸の模型を見るようで,白岳山系から烏帽子岳に続く前後の断層線がよくわかる。南側の平野浦,西北の弘法浦,内浅茅に面した赤崎には弥生時代から古墳時代の遺跡があり,古くから人が定着していたことを示し,中世史料にも島山の名が見える。石田三成の重臣として知られた島左近勝猛はこの地の出身という伝説があり,その墓と伝える墓標がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7221089