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下五島
【しもごとう】


五島列島のうち,南松浦郡下の奈留瀬戸を境に南にある久賀島・福江島と属島を含む地域称。瀬戸北側の上五島に対する。行政上は福江市と南松浦郡富江町・岐宿(きしく)町・三井楽(みいらく)町・玉之浦町にまたがる。面積381.29km(^2)で五島列島の60%を占める。久賀・福江の2島は新第三紀の花崗岩類と五島層群が中心で,福江市では半島部に第四紀の溶岩が流出して,溶岩台地を形成している。両島に共通なことは島の中央部が花崗岩類で浸食盆地を形成し,山内盆地(岐宿町),久賀・大開盆地(福江市)は最大の稲作地帯となっている。農業従事者は3割,漁業従事者は1割で,上五島と対照的である。農業は溶岩台地や山地周辺での畑作が多く,甘藷・桑・葉煙草栽培が多く,桑畑の面積は長崎県で最も多い。久賀島では水稲が中心で,椿栽培も多かったが,輸入種油の進出で次第に姿を消している。漁業は沿岸漁業が不振で,湾内でタイ・ハマチや真珠の養殖が盛ん。他の海岸では伊勢エビ等の放流やワカメの養殖などが行われているが,過疎化が著しい。玉之浦湾のリアス式海岸や海食崖,福江半島の鬼岳火山群,螺蠑島・屋根尾島・多々良島・久賀島東海岸は西海国立公園の一部をなしている。五島列島の中心地福江は長崎と1日3便のフェリー定期便で結ばれ,福江空港は長崎空港と1日4便,福岡空港とは1日2便がある。上五島空港とは週3便の小型機で結ばれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7221120