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高島
【たかしま】


長崎半島の西約4.5kmにある島。西彼杵(にしそのぎ)郡高島町に所属する。面積1.27km(^2)。古第三紀の高島層群よりなり,権現山(114m)が最高地点で北に急崖のケスタ地形の島である。属島として北に飛島がある。人口5,945人(昭和60年)のうち第2次産業従事者が70%で,三菱石炭礦業高島鉱業所による1島1企業の石炭産業で生活している島である。島への居住は鎌倉中期に平家落人に始まるという伝説がある。石炭の発見は元禄8年佐賀藩鍋島家の五平太による。伊万里焼などの燃料や中国・四国地方製塩用燃料に利用され,当時の石炭は「五平太」の別名で呼ばれていた。採掘は鍋島家とトーマス・グラバーの共同経営により,洋式採炭機の最先端の技術が導入され,その後官営,三菱と所有が変遷して今日に至っている。炭質は弱粘結炭で高カロリーで,年65万t前後出炭している。エネルギー革命前は2万人(端島を含む)に達していたが,相次ぐ合理化で人口減少が著しい。昭和57年に30年間採掘可能な炭層が発見されたが,昭和60年の坑内ガス爆発による事故や安価な輸入炭による経営圧迫で,同61年11月閉山された。高島・上二子島・下二子島の3島はボタによる埋立てで連続し,高層アパートが林立している。飲料水は長崎半島の西彼杵郡三和町岳路と海底水道で結ばれ,長崎港とは1日9便の定期船が55分で結ぶ。島内にはV字形三角溝,北渓井坑跡等の西洋文化の跡を見ることができる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7221478