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久賀島
【ひさかじま】


福江市の北東11km,奈留瀬戸と田ノ浦瀬戸の間にある島。福江市に所属する。面積38.38km(^2)。中央部が盆地状に湾入した凹地形の島である。湾入した久賀湾を中心に新第三紀の五島花崗岩類が大部分を占め,五島層群が西および東にわずかに分布している。標高200~300mの丘陵性の山地が久賀湾を取り囲み,小河川が流入して沖積地や干拓地がみられる。周囲は海食崖が発達し,砂嘴に囲まれた田ノ浦港がある。主な産業は久賀湾岸を中心にして,小河川沿いや干拓地での稲作中心の農業である。丘陵地ではツバキの栽培も盛んであったが,輸入種油に押されて,ヒノキ・スギの人工林が多くなり,ツバキの自生地を県天然記念物に指定している。久賀湾内ではハマチ・タイの養殖が多く,エビの養殖場もみられる。両瀬戸に臨む周囲では一本釣り,刺網などが行われている。島の人口は最盛期の昭和25年には3,968人であったが,昭和58年には1,031人に減少している。田ノ浦瀬戸に臨む田ノ浦は遣唐使船の停泊地で,久賀湾最奥部の大開にはキリシタン史跡の「牢屋の窄」がある。久賀村は昭和32年に福江市に編入された。福江市奥浦と田ノ浦にはフェリー定期船が4便あり,30分で結ばれている。久賀の呼称は「ひさか」が一般的であるが,古老は「ひさが」と発音している。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7222482