100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

土黒川
【ひじくろがわ】


浜の田川ともいう。南高来(みなみたかき)郡国見町を流れる2級河川。土黒川水系の本流で,土黒西川をはじめ56の支流を持つ。国見岳北方,田代原付近に発し,国見断層線に沿って北流し有明海に注ぐ。流路延長14.65km・流域面積16.78km(^2)。流域一帯には古代遺跡が多く,特に百花台遺跡は先土器時代から縄文時代に至る遺跡で,昭和38年より数次の発掘調査が行われ,ナイフ形石器・台形石器・細石刃などの遺物が検出された。なかでも台形石器が初めて層位的に確認され,百花台型台形石器と命名,旧石器時代研究では重要な石器に数えられる。中流の八斗木小学校より約300m下流域の流れの緩やかな一帯には,国天然記念物であるオキチモズク発生地がある。オキチモズクは淡水産の紅藻類。糸状で細かく分枝し,長さ40cmになる。川底の小石や岩に付着し,毎年11月上旬に発生,2月末までが最盛期である。河口の多比良港は江戸期には殿様舟屋があり,島原藩の参勤交代の船が出入する重要な港であった。現在は昭和33年より熊本県長洲港との間に有明フェリーが就航,雲仙・阿蘇・別府を結ぶ観光ルートとして1日25往復,年間約70万台の車と120万人の乗客を運んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7222487