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福島
【ふくしま】


伊万里湾の奥に位置する島。北松浦郡福島町に所属する。東西5.92km・南北7.32km,面積16.89km(^2)。準平原化された新生代第三紀佐世保層群を基盤とし,その上を溶岩(玄武岩)が覆い,その後浸食を受けて福島の原形ができあがり,縄文海進による沈水のため九州本土より離れて島となった。現在,玄武岩は原免から端免大山付近の,高度150~180mの丘陵状台地と白岳一帯に残存している。白岳の南西側では柱状節理がみられ,採石業が盛んである。明治中期より島内各地で炭鉱開発が進み,県内有数の産炭地となったが,エネルギー革命の波に押され,昭和47年福島炭鉱(中興鉱業)の閉山を最後に島内の炭鉱はすべて姿を消した。そのため人口も激減し,昭和60年現在,石炭産業盛時の3分の1,約3,900人である。現在は農漁業の振興,観光開発に力を注いでいる。昭和42年完成した福島大橋は,喜内瀬免と対岸の伊万里市波多津町を結ぶもので,福島を離島から脱却させるとともに,企業誘致や観光開発に大いに力を与えた。また,塩浜免の福島炭鉱跡地には昭和58年九州液化瓦斯のLPG基地が完成,経済的な効果が期待されている。主な観光地としては,中央部にある高度160mの大山展望台,東部の白岳展望所,そこから見下ろすイロハ島などがある。里免の弁天島岩脈,喜内瀬免喜内瀬川のポットホール(甌穴),浅谷免櫃崎の櫃崎岩脈はいずれも県天然記念物となっている。土谷百人塚,寺山団助公碑,寺山団助妻女の墓,福寿寺の三十三観音などの文化財,土谷や浅谷の浮立,今山神社祭などの伝統行事もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7222636