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水無川
【みずなしがわ】


島原市と南高来(みなみたかき)郡深江町の境をなす河川。平常は流水をみないワジ状河川。赤松谷に源を発し,深江扇状地を東流,枯木で島原湾に注ぐ。流路延長約8km・流域面積17.49km(^2)。全流路のうち4~5kmの本流が涸れ川となり,増水期には流域がもろい火山堆積物に覆われているため天井川となる。万治元年には山津波で赤松谷より氾濫し死者30余人を出したという記録もみられる。昭和32年の諫早(いさはや)水害のときも破堤している。1日降水量765mmの豪雨で眉山の崩壊が誘発され,大量の土砂が流失した。水害後復旧工事が進み,流路工橋梁が設けられたが,河床の上昇が数年にして橋桁に達するほど堆積速度が増した。昭和40年に上流部に砂防堰場,流路工事が完成し危険は減少した。しかし,河床の堆積速度は早く,除去作業・流路工事は行われているが,そのため水無川の景観は一変しつつある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7222983