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三根川
【みねがわ】


対馬の中央部を流れる2級河川。上県(かみあがた)郡峰町の北部に源を発し,南西流して三根湾に注ぐ。流路延長5.563km・流域面積30.30km(^2)。田志川・佐賀の内川などの支流を合わせ,本流に沿って上里・中里・井手・坂根・田志・浜などの集落を形成,これらの集落を総称して三根という。三根は「和名抄」にも見える古代三根郷の主邑であり,また島央部の交通の要路として,旧来四方に山道が通っていたが,その道はいずれも三根川の本流・支流に沿ったもので,川筋が主要な通路となっていた。下流域は島内で最も早く開けた所で,弥生初期の井手遺跡から,中期のガヤノキ遺跡,高松壇遺跡,後期の坂堂遺跡,古墳時代のシオツボ遺跡と続く。外にも各所に遺跡がある。また式内社小枚宿禰神社と対馬六観音の1つがあって,民俗信仰の上でも1つの拠点であった。「海東諸国紀」に見える三根の戸数は650余戸とあり,これは当時における島内第一の戸数である。近年河川改修が進み,川口に大橋が架けられた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7223052