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向地
【むかいじ】


旧国名:肥前

(近世)江戸期の広域地名。肥前国彼杵(そのぎ)郡のうち。大村藩の農村支配のために設けられた4つの地区の1つ。西彼杵半島の基部に位置する。元和3年の朱印状によれば,伊木力・佐瀬・長与・高田・時津・滑石(なめし)・浦上西・浦上北・浦上家野・浦上古場・戸町の11か村からなり,合計朱印高は5,776石余。なお,戸町村は安政4年に収公されて幕府領になり,翌5年代地として高来郡古賀村が与えられ,当地区に属した。「大村郷村記」によると,安政3年の竈数2,867・人口1万3,818。宗旨別人数の内訳は天台宗2・浄土宗36・日蓮宗7,930・真言宗20・浄土真宗5,830。大村藩形成期に大村湾沿いの藩領に日蓮宗を,その他の藩領に浄土真宗を布教するという藩の宗教政策がとられたために,日蓮宗信徒が多い地域となっている。地理的に大村湾の奥まったところに位置し,その後背地は長崎にあたることから,大村湾の水上交通を利用して,長崎に至るその船着場としての役目を有した。特に時津村が長崎への往来客でにぎわった。現在の西彼杵郡と長崎市の各一部にあたる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7223106