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維和島
【いわじま】


大矢野島東方の蔵々瀬戸と大戸ノ瀬戸の間にある島。天草郡大矢野町に属する。明治期には千束島と呼び,昭和期には千束蔵々島ともいう。面積6.76km(^2),周囲約20km,最高地点の標高166.9m。大部分はイノケラムス類の化石を含む白亜紀の砂岩・頁岩からなり,中央部と北西岸に第三紀層が局部的に分布する。昭和60年の世帯数611・人口2,195。千崎古墳群(積石塚と箱石石棺とからなる5群27基)・広浦古墳群がある。昭和51年に,大矢野島と東大維橋・西大維橋で結ばれて陸続きになり,特産品の温州ミカンや車エビの出荷が陸上輸送に変わった。明治末期,維和島で車エビの養殖が始まり,八代(やつしろ)に出荷していた。車エビ養殖場の創始者が当島下山の山崎若松である。車エビは4月上旬に孵化させ,中間飼育ののち,7月頃本生簀に放流,12月頃出荷の最盛期を迎える。昭和44年には天然エビによる畜養から,人口種苗養殖に転換した。養殖場は島西岸の梅ノ木・千束・下山の3か所に分かれ,面積182.4ha,同58年の生産量は500t。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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