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大矢野島
【おおやのじま】


天草上島と宇土(うと)半島の間にある島。天草諸島中第3位の規模で,天草郡大矢野町の主島をなす。面積30.15km(^2)。世帯数4,632・人口1万6,051(昭和60年)。地質は,北半部は新生代の鮮新更新統に覆われ,各地に角閃安山岩の小円頂丘群が散在し,南半部は新生代第三紀の中部始新統からなり,標高200m級の飛岳や柴尾山がある。天草五橋の開通に伴い,昭和43年に離島振興法の適用が解除された。農林漁業が主産業で,同47年に自然休養村・青少年旅行村に指定され,花卉栽培(キンセンカ・ストック・キンギョ草・ポピー)や酪農と合わせて,島の自然を生かした観光開発が始まった。同57年の花卉栽培農家数605戸,栽培面積51.9ha,出荷数量2,102万本,生産額5億1,285万円。乳牛飼育農家246戸,飼育頭数1,601頭で,天草地域では最多。昭和51年,八代(やつしろ)郡泉村の氷川ダムから総延長27kmの八代海海底送水管が敷設され,毎日3,000tを送水。総事業費19億4,000万円で,水道料金は完成前の2倍近くになったが,断水や時間給水は解消された。青少年旅行村は県内初の本格的な海のキャンプ場で,開村期間は7月1日~8月30日。管理棟・キャンプ場(300人収容)・宿泊施設・バンガロー・共同炊事場などが整備されている。島内にはほかに自然休養村管理センター・森記念図書館・亜熱帯植物園のほか,白濤(しらと)や弓ケ浜の海水浴場がある。大字上の江樋戸(えびと)には天草砥石・木目石の採石場があり,天草砥石の需要は減少したが,同40年頃から木目石の需要が伸びている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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