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小野泉水
【おののせんすい】


鹿本郡植木町小野にある景勝の泉水。熊本市の北方,植木台地上に並ぶ平尾山・岩野山などの独立丘は石英片岩からなる古生代の筑後変成岩で形成されている。岩野山南東の前山の南崖下,小野の集落の北,高度約80mの谷頭から清泉が湧き出て泉池をなし,小野泉水と称される。水温年平均18~19℃,湧水量毎秒0.15~0.2t。小野地区の飲料水や下流水田の灌漑用水として利用される。当地には小野小町にまつわる伝説がある。小町は平安期に出羽国の郡司からこの地に流された小野良実の娘とされ,小野泉水で小町は産湯を浴びたといい,近くに小町が使ったという化粧の水,小町をしたって99夜通ったという立石の少将の館跡,100日目の晩に少将が谷に落ちたとされる布の橋,良実の墓と伝える石碑など伝承や遺跡が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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