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菊池渓谷
【きくちけいこく】


菊池市の東部にある渓谷。菊池川の源流に近く,菊池水源ともいう。阿蘇外輪山の北西部にあたり,火砕流堆積物に覆われた緩斜面に深さ100m以上のV字谷が刻まれる。渓流には溶結凝灰岩の硬い部分が浸食に抗して掛幕の滝・四十三万滝・黎明の滝などの瀑布をつくり,その間に広河原・紅葉が瀬などの比較的平坦な瀬や淵が形成されている。渓谷にはカシ・タブ・シイ・カエデ・ブナなどからなる原生林(国有林)が深く茂るとともに,外輪山を伏流してきた地下水が谷川に加わり,真夏でも水温は13~15℃と低い。夏は涼を求める人々が訪れ,秋には紅葉が渓谷に映える。県内有数の野鳥の宝庫でもある。一帯は阿蘇くじゅう国立公園特別地域。昭和42年国民の森に指定され,渓谷に沿って遊歩道・森林広場などが整備され,夏には市営のバンガロー村が開設される。菊池阿蘇横断道路(菊池阿蘇スカイライン)は,自然保護のため渓谷の北側を迂回して通る。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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