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蘇陽峡
【そようきょう】


九州山地北縁の一峰,白岩山(宮崎県)に発した五ケ瀬川が,阿蘇郡蘇陽町馬見原の竿渡(さわたり)から,下流の仲山ダム(花上ダム)までの間,約10kmにわたる峡谷。この付近は,阿蘇外輪山の緩やかな標高500m前後のスロープで,浸食に弱い溶結凝灰岩からなる。合流点近くの長崎鼻展望台からの眺望はよく,幅100~300m,高さ100m,ほぼ垂直に近い崖面の連続が優れた景観を見せる。U字形の谷の崖面には,凝灰岩の境界面を伏流してきた地下水が噴出し,幾条もの滝となって流下しており,紅葉期には錦絵のような趣を呈する。昭和2~4年県知事斎藤宗宣の命名。県境にある景勝地で,熊本の名勝百景の1つに指定された。周囲一帯は,米・畜産・煙草・養蚕のほか,茶・シイタケ・クリを産し,菅尾地区は独特の製法による緑茶の産出で知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7226090