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轟水源
【とどろきすいげん】


宇土(うと)市宮庄町の轟にある水源地。肥後三名泉の1つ。周辺は轟泉(ごうせん)自然公園で,昭和60年1月,環境庁が名水百選に選定。宇土半島付根部の小起伏山地が,緑川の沖積低地に接する部分にあり,火山性扇状地の末端から1日約3,000t湧出。湧出口は石積みによって保護されているため観察できないが,水源後背地の開析火山の火山円礫層や亀裂の多い安山岩質礫岩と推定される。縄文時代から人々の飲料水に用いられたと推定され,慶安5年宇土藩主細川行孝入部ののち,轟水源から宇土城下まで延長4,660m(幹線3,150m,支線1,510m)の轟泉水道が敷設された(宇土市史研究4)。不知火焼(松橋焼)使用の最初の導水管は破損し,明和6年阿蘇溶結凝灰岩の馬門石をくりぬいた石管に改修し,現在も約120戸の上水道として利用される。現存する上水道では,わが国最古のもの。水源地は轟泉組合で管理し,水量が調節されている。もとは灌漑用水も兼ねていたが,現在その利用は少なくなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7226607