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波野高原
【なみのこうげん】


阿蘇郡波野村,根子岳の東麓一帯に広がる標高600~800mの高原。面積約100km(^2)に及ぶ。東西に緩やかな波状傾斜をなし,谷の発達も盛んで複雑な谷が多数入り込んで大波のうねりのように見えるところから波野の地名が付いたという。年平均気温13.3℃,年降水量約2,300mm,土壌は火山砂・軽石・火山灰の堆積地で,水資源に乏しく,耕地は谷底に点在し,トウモロコシ・バレイショの栽培が行われてきたが,昭和30年にキャベツが導入され,同40年には国の産地指定を受ける。その後,ハクサイ・レタス・ダイコンなどの高冷地蔬菜の栽培が盛んで,主に北九州・長崎方面に出荷されているが,ヨナ・長雨・冷夏による不作に見舞われたり,豊作年の価格暴落の悩みもある。阿蘇郡波野村の約60%は植林地で,採草放牧地(約10%)では現金収入源として赤牛の飼育も行われている。春のワラビ狩りのほか,6月中旬にはスズラン自生地に約1万7,000本のスズランの花が一斉に開き,訪れる観光客も多い。豊肥本線波野駅は標高754mで,九州最高所の駅である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7226881