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御船川
【みふねがわ】


緑川水系の1級河川。上益城(かみましき)郡矢部町,阿蘇外輪山大矢野原に源を発し,福良滝・七滝などの瀑布を懸け,同郡御船町に入り,八勢(はつせ)川を合わせて西流,同郡嘉島町上島で緑川と合流する。流路延長27.8km,流域面積123.0km(^2)。加藤清正の入国以前は御船町から北流して矢形川に注いでおり,加勢川の一部をなしていたが,清正は熊本城下近くの託麻方面を水害の禍から守るため現在の流路に変更した。工事は困難を極め,床机の松などの遺跡を今に伝える。以後下流域に防災の恩恵をもたらしただけでなく,川尻と御船を結ぶ舟運河川としての便も与えることになり,流域の発展に大きく寄与した。御船町の川畔の白壁造りの酒蔵,嘉永元年卯助・卯市・尉八三兄弟が造ったと伝える豪壮で優雅な石橋眼鏡橋などに昔日の面影を残す。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7227920