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阿蘇野川
【あそのがわ】


阿曽野川とも書く(豊後国志)。大分郡庄内町の西南部から北流する川。熊牟礼(くまむれ)川の流域称。庄内町の黒岳(1,587m)の北麓に発して東流し,阿蘇野の小盆地の柏ノ木(かやのき)・伊小野・十合野の集落,岩下で鍋谷川を合わせ,七倉・内川野・大竜(おおたつ)の北で大分川に注ぐ。この流域のほとんどは,かつて,朽網(くたみ)郷と呼ばれ,直入(なおいり)郡にあった。「豊後国志」に,「源は黒岳の北の池中に発し,阿曽野・井手下間を過ぎ,東北に流れ,上重(あげじゆう)の東に至る。一は花牟礼の北に発し,東南行,大分,直入郡界を過ぎ,上重の東に至り,黒岳の水と会す。阿曽野川となり,大分郡に入る」とある。鎌倉期以降,大友氏の支族,田北氏が流域の熊群山に熊牟礼(または熊群)城を築いた。大分県五十勝の地として知られる読戸(よみど)瀑は,この川の下流,大字野畑にあり,いわゆる夜見渡の渓谷として5kmほど続き,またの名を渓仙峡ともいう。最近,道路の整備がややすすみ,ハイカーなど訪れるものが多くなった。流長16.991km・流域面積54.6km(^2)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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