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小川川
【おがわがわ】


南海部(みなみあまべ)郡本匠(ほんじよう)村東南部,大字小川の地域を流れる番匠川の支流。米花(べいか)山南東麓の岩屋・番ノ原・苣ノ木(ちしやのき)・屋敷ノ原を経て,小半(おながら)と波寄(はき)の中間で番匠川に注ぐ。流長6.2km・流域面積14.9km(^2)。頭首工2,灌漑面積2.2ha。上流に銚子(ちようし)渓谷があり,銚子淵・雄淵・雌淵などいずれも直径が10m近い甌穴型の淵,その他大小数個の甌穴,高さ10数mの銚子の滝がある。渓谷一帯は村指定の景勝保護地のうち。「佐伯志」には「中野村大字小川にあり,懸崖五丈余,飛流直下,銀河の九天より落つるが如く,幾多の怪嵓渓中に崛起し,水勢之に激して潰灌珠を飛ばし,々の声山谷に震ふ,壮観一にいふべからず。その奔湍急峻,石に触れて屈曲巴状を作すもの,これを巴の淵と呼び一に又銚子口の称あり」とある。なお岩屋上流約1kmにある小川の滝は,「豊後国志」は小川瀑と記し,「佐伯荘小川村に在り。高さ五丈余。飛流直下,長川を掛くるが如し」とある。国木田独歩はその日記「欺かざるの記」に「5月7日,……再び銚子淵を探る……先遊の時は滝を見る能はざりしも此度は渓流をさかのぼりて進みたるが故に,飛瀑の下に出づるを得たり」と書く。現在,この滝のある渓谷一帯は村指定の景勝保護地。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7229393