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九酔渓
【きゅうすいけい】


飯田(はんだ)高原下を流れる鳴子(なるご)川にある渓谷。玖珠(くす)郡九重(ここのえ)町にあり,その名は大正11年,一般県道飯田高原中村線が十三曲り(じゆうさんまがり)を経て開通してのち,沿線に発電所を有する九州水力電気会社がこの渓谷を紹介するために名付けたものという(玖珠郡史)。渓谷の深さは200~300mに達し,第三紀層を基盤に凝灰角礫岩・輝石安山岩・火山礫岩層・頁岩層・阿蘇溶岩層・凝灰岩層など,九重(くじゆう)火山活動の標本が見られる。両岸はケヤキ・クマシデ・ミズナラ・ヤマモミジなどの老大樹が枝を交え,200haが完全な原始林状態を残し,新緑と紅葉の美は耶馬渓(やばけい)にまさるといわれる。震動ノ滝など滝も多く,懸水の美を誇っている。昭和34年県名勝に指定(大分県の文化財)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7230138