熊牟礼川
【くまむれがわ】

大分郡庄内町を流れる川。阿蘇野川の別称。「豊後国志」に，「二源，直入(なおいり)朽網(くたみ)郷を並発す。一は黒岳の陰女池を出，一は上重(あげじゆう)村の南を出，二水相合う。上重と此郡の直野内山の間に至る。東流し，両郡界の水となり，熊牟礼山の下を経，野畑・下田に出，透内(すきうち)川に流入す」とある。旧庄内地区では熊牟礼川，旧阿蘇野地区では阿蘇野川と呼ぶ。流域に読戸(よみど)ノ滝があり，熊牟礼川が透内川（大分川）と合流する付近はやや低地も広く，水田・集落の密集地になっている。この川の透内川（大分川）との合流点付近に，国道210号が開通し，交通の便もよく，右岸の旧道から，住宅・学校・商店の移転がいちじるしく，往時の景観が失われつつある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7230303