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黒浜
【くろはま】


黒ノ浜(亀山随筆)・黒ケ浜ともいい,白浜と合わせて碁石浜ともいう(西遊雑記)。北海部(きたあまべ)郡佐賀関(さがのせき)町の東北部大字関にある浜。佐賀関半島先端の東海岸にある五浦の1つ(亀山随筆)。日豊海岸国定公園のうち。浜石は蛇紋岩からなり,黒色であるのでこの名がある。「豊後国志」には,「山家集の烏島にいう。白浜の南二百歩にあり,海面の広さ二百余歩。水色鉄を積むがごとし。水底皆黒石。また,他石はまじらず。その石真黒にして光あり。また自然の碁子。杜陽編にいう所の冷暖玉子はこれなり」とある。この浜の石は冬これを握れば暖かく,夏握れば冷気を覚えるといわれ,古来より碁石として珍重されていたという(佐賀関町史)。「西遊雑記」には西行の歌として「合はせばや鷺と烏の碁を打たば手段集賢島(てぶくすがしま)白黒の浜」を載せているが,「山家集」には「答志菅島黒白の浜」とあり志摩国鳥羽湾の歌で西行歌のもじりであろう。→手談池(しゆたんいけ)




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7230378