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津民耶馬渓
【つたみやばけい】


山国川に北西から流れ込む支流津民川の流域の渓谷。下毛(しもげ)郡耶馬渓(やばけい)町にある。集塊岩と旧耶馬溶岩の浸食風景が見られる。南は旧耶馬溶岩の噴出地の中心と推定されている樋桶(ひおけ)山(867m)・ウメノキ岩塔など,北は瓦岳(625m)・雁股(かりまた)山(807m),経読(きようよみ)岳(992m)・小屋ケ岳(995m)・犬ケ岳連峰(1,131m)が連なり,東は修験道の檜原(ひばる)山(735m),西は合使(おうし)山(904m)に限られている。元来深山幽谷の地で原始林におおわれていたが,大部分が伐採され昔日の面影はない。わずかに犬ケ岳の尾根筋にブナとツクシシャクナゲの群落が国天然記念物として残されている。津民川およびその支流柾木(まさき)川に落合滝・柾木滝がかかっている。川原口付近のゲンカイツツジはその自生南限として県天然記念物に指定。鎌倉初期から戦国末期まで耶馬渓一帯の豪族として威勢をほこった野中氏は津民川の上流,川原口の南側の惣見山(646m)の中腹の長岩城を本城としていたが,天正15年黒田如水に滅ぼされた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7231808