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波越川
【なんごがわ】


佐伯(さいき)市中央部を北流する堅田川の支流。石草峰北西方山地に発し,北西流,波越を経て入る。1級河川。流長4.5km。下流2kmは涸川。北1kmに竜王山(316m)がある。山麓に沿った50戸の前田は自然水と揚水にたよって井堰は見当らない。村はずれから200m上流に皿焼(さらやき)というところがある。佐伯藩の「温故知新録」に元和年間波越に陶窯を設けて陶器を焼かせたとある。初代毛利高政が慶長年間朝鮮から陶工を連れて来て,この地に窯をつくり,陶器を焼かせたとも伝えられる。現在も窯跡がある。谷の側面に陶土層があるが規模は小さい。波越の地名は難が転訛して波になったというのが通説。隣りの泥谷(ひじや)から波越に入るには山が迫り狭隘。対岸の西野(さいの)から入るにも困難。また,東の木立(きたち)地区字桟敷(さじき)から山越をしても困難で地名にふさわしい地形である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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