念仏水
【ねんぶつみず】

飯田高原の東部，玖珠(くす)郡九重町田野(たの)の千町無田(せんちようむた)の一画にある伝説上の小流。田野の七不思議の１つ。「豊後国志」に「千町蕪田に在り。小渠の細流，人声を発して仏名を称え，其の岸を力踏すれば，則ち相応じて水動き沫を吐く」とあり，「太宰管内志」にも同様の記事を載せる。また，「田野長者事跡伝」に「沼の中にあり，此の辺りに立ちより南無阿弥陀と称ふれば沼の中より仏々と答ふ」とある（玖珠郡史）。念仏水は，人が近づけばブツブツという，との伝説もある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7232546