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日比ノ浦
【ひびのうら】


速見(はやみ)郡日出(ひじ)町の東部,大字大神にある入江の大崎鼻と瀬ノ上との間の小さい入江を控え,別府湾に臨む浦。「豊後国志」によれば大神(おおが)郷に属する。海岸段丘で,南面し冬季の気温は温暖で降雨も適量。水田は谷間にあって面積は少いが,畑は広い面積をもつ。もと漁業専業は2戸であった。日比ノ浦は畑作農業の村で,畑の3分の2は野菜畑,3分の1は果樹園である。畑作物は麦・甘藷類が野菜・果樹類に変わった。野菜類は大正期~昭和期,帆船で別府に運び,旅館の下肥を積んで帰っていたが,昭和35年よりトラックに変わった。野菜類はキュウリ・キャベツ・ダイコン・ハクサイ・スイカなどで,キュウリがその中で代表作物である。昭和5~6年頃県の技師の指導によりフレーム栽培が始まった。昭和40年からビニール栽培に変わり,ビニールトンネル・マルチ・ビニールハウスやその連棟・単棟のハウス・温室という施設により,キュウリの半促成・促成物を大分・別府に出荷している。キュウリの品質は大分市高田のものよりもよい。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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