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深島
【ふかしま】


県最南端の島。南海部(みなみあまべ)郡蒲江町大字蒲江浦のうち。日豊海岸国定公園の一部。蒲江港から8km南にある。面積1.1km(^2)・最高点98m,標高80mの丘陵性の2島が砂洲で結ばれた島で,東西のくびれた部分が港で,これを臨むように集落が形成されている。属島は臼(うす)礁・松礁・白礁・ソーノ礁。シイ・カシ・タブ・ダンチクの繁る高原状台地には海岸段丘が,四周は海食崖・海食洞が発達し外洋的景観を見せている。透明度20mの海面下にはサンゴ礁が発達,海中公園に指定されている。昭和54年時の世帯30・人口92。巻網漁業を中心とする沿岸漁業を営む。南端には昭和28年設置の灯台がある。同30年離島振興法の適用を受けた。深島の開発は享保6年,佐伯(さいき)藩の命を受けて赤木村(直川村大字赤木)の農家4戸が移住したことにはじまる。寛保3年,年貢未進の赤木村百姓15人が移されてから流人の島となり,文化9年佐伯藩領内に起こった文化の大一揆の指導的立場の6人も流されてきた。文化7年,当地域を訪れた伊能忠敬は「佐伯領の流人島にて田畑も少しあり。小屋一軒建置く。当時流人三頭ありと云ふ」と記している(九州測量日記)。なお現在の島民は明治5年蒲江浦から移住した人々の子孫(蒲江町史・大分県地理)。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7233043