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本耶馬渓
【ほんやばけい】


下毛(しもげ)郡三光(さんこう)村・本耶馬渓町・耶馬渓町・山国(やまくに)町の全町村にまたがる山国川の中流の渓谷の総称。文政元年頼山陽が日田から中津へ通過した際,天下第一の勝景と絶讃,これまで山国谷とか城井(きい)谷とかいわれていた山国川本流の渓谷に対して耶馬渓という中国風の名をつけ「耶馬渓図巻記」などにより天下に伝えた。山陽は日田より大石峠を越えて山国川上流に出で,さらに下郷・柿坂付近に出て再度の景観を絶讃している。景観はほとんど成層集塊岩の浸食された奇岩奇峰が主体である。山陽が耶馬渓の風景を天下一と称したのは,この奇岩と松の木を主体とした樹木美,それに山国川の清流による水の三者一致の景観美による。本流筋の景は下流の方から,鮎返り(あゆがえり)の滝・競秀(きようしゆう)峰と青の洞門(あおのどうもん)・賢女ケ岳(けんによがだけ)・酔仙岩(すいせんがん)・擲筆峰(てきひつほう)・窓岩(まどいわ)・群仙峰(ぐんせんぽう)などの勝景がある。山国町大字守実(もりざね)には温泉もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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