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真玉川
【またまがわ】


西国東(にしくにさき)郡真玉(またま)町を東西に流れる川。常盤(ときわ)川ともいう。「豊後国志」に,「源真玉荘狩場村南に発す。南流して黒土・小河内の間を過ぎ西北流して,大岩屋の南を遶り,湯原を経て常盤川となる。徳六・荘屋の間を出て,浜を過ぎ西海に入る」とある。流長11.89km。2級河川。農業用水で堰35。真玉川下流は往古は沼沢で,蘆荻などが生い蒹葭が茂り,満潮時には船の便があった。郷社八幡宮御供井の付近である字船林には肥前島原藩主の船をつないだ石柱がある。下流部は埋立てられ,第1期は字浜田,第2期は字新田,第3期は字新開である。支流の玉川は100年前より字庄屋より西流し大村の北部を過ぎ海に注ぐ。これが累年の洪水で位置を変えた。現在大村天満宮付近に残る筒井川と称する溜池は当時のおもかげを留めるものである(西国東郡誌)。流域には,常盤に石幢・国東塔・庚甲塔・仁王像,城前に宝篋印塔・磨崖板碑・宝塔,大岩屋に宝篋印塔・祖形の一石五輪塔・石祠・灯明台・宝塔,有寺に国東塔・庚申塔,小河内に庚申塔・宝篋印塔・塞の神がある。黒土では縄文土器片が出土し十六羅漢像・五輪公園などがある。なお,黒土にある椿大師堂の毎年旧正月・3月・7月の大師大法楽には遍路姿の男女が参詣する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7233360