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三重川
【みえがわ】


大野郡三重町の中央部を南西から北東へ流れる川。町の南部,内山(うちやま)に発し,三重町の中心部を東流して秋葉川・玉田川などを合し,さらに嶋田付近で松尾川・高屋川を合わせる。ここから北流,下小坂(しもおさか)川・入北川を合し,三重・野津両町の境をもなし,野津町西部の鼓石(つづみいし)川・吉田川や三重町北東部の又井川を入れ,やがて大野川に合流する。延長21.774km・流域面積28.2km(^2)。流域は台地が広く,とくに下流部は峡谷をなし,水田としての利用は比較的少い。三重川水系で頭首工70・灌漑面積202.0ha。うち内山川の55.9ha・玉田川の45ha・吉田川の47haがやや広い。小坂川は,「豊後国志」に,「小坂川 源三。皆三重郷に出づ。一は鷲谷村南に発し,北流松尾を過ぎ,下赤峰に至る。一は内山より出で,鬼塚・市場を過ぎ,下赤峰に至る。また一水は羽飛村南に発し,深田に至りて,高寺細流を引き,市場・下赤峰を過ぎて三水一と為る。下赤峯・小坂を過ぐれば,竹脇に至り,田中の小川を合して徳瀬に至る」とある。三水は松尾川・内山川・三重川を総称して小坂川と呼んでいたようである。松尾川は,三重町南部の上鷲谷(かみわしだに)に発し,下鷲谷・松尾を北流して,嶋田で三重川に合流する。谷底平野はきわめて狭小で,わずかに水田が分布している。浅水(あそうず)川はいま菅尾(すがお)川という。「豊後国志」に,「浅水川 三重郷芦刈村南に出で,浅水・宮尾を経て,徳瀬川を合す」とある。鼓石川は竹脇(たけわき)川ともいう(野津町誌)。野津町の西部,西畑の田中に発して北流,竹脇・鼓石を通過,東光寺の西で三重川に合流する。延長3.5km・流域面積5.5km(^2)・頭首工17・灌漑面積22.6ha。吉田川は徳瀬(とくせ)川ともいう(豊後国志)。野津町南西部の細枝に発し,吉田・秋山地区を西流,赤峰で三重川に合流している。「豊後国志」に,「徳瀬川 三重郷細枝村山中に発す。屈曲奥畑を遶り,西行尾原・吉岡・石上を過ぎて徳瀬に至り,小坂水を合す。北行大野川に入る」とある。延長16.004km・流域面積17.0km(^2)。流域は火山灰台地が広く,水田は少い。頭首工32・灌漑面積34.8ha。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7233466