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御澄池
【みすみがいけ】


三角・三澄とも書き,薦(こも)の池・大貞(おおさだ)の池ともいう。下毛原(しもげばる)溜池群を代表する用水池。中津市大字大貞にある。伝説によると養老4年に築造という。現在広さ5万m(^2),三方に土手をつくり,洪積台地上の旧河道を利用した皿池である。池畔に薦神社,別名大貞八幡といわれる神社があり,宇佐八幡宮の元宮といわれ,毎年この池の薦を刈り取って宇佐八幡の御神体の御枕にしたという。池そのものが大貞八幡の御神体とされ,池の中に鳥居が建てられている。中野幡能説では八幡宮はヤハタの神といい帰化人秦(はた)氏の氏神だったという。秦氏は日本に渡来後,すぐれた土木技術をもって北部九州より南下,水利の不便な台地上に多くの溜池を造成,秦氏にとっては池は守り神であった。池中に3つの藪があり,玉沢・鉾沢・鏡沢という。神社とみすみ池を中心とした一帯は大貞公園といわれ,中津市最大の公園である。昼なお暗い赤松の大平地林でかこまれていたが,第2次大戦中大部分は開墾され,池も次第に埋立てられ,競馬場や工場用地・住宅地となり昔日の荘厳さは失われたが桜の頃は見事である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7233502