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屋形島
【やかたじま】


蒲江(かまえ)港沖合4kmの島。南海部(みなみあまべ)郡蒲江町大字蒲江浦のうち。日豊海岸国定公園内にある。館島とも書き,中島ともいう。島名は唐船が来泊した島で,来航者の宿泊する仮屋が建てられたことにちなむという。面積1.2km(^2)・最高点199m。属島は粒(つぶ)島・筏硑(いかだばえ)。昭和54年現在の世帯25・人口97。南岸は海食崖が発達し,北岸の小平地に集落と畑がある。巻網漁業・真珠母貝養殖・ハマチの稚魚採捕などの水産業を主とする。水の豊富な島で,各家は地下水を利用。洲の鼻の海底サンゴ礁は,蒲江海中公園の中心でグラスボートによる特殊観光船が蒲江港から出ている。砂浜はオオウミガメの産卵地。江戸期は佐伯藩領。島の開拓は蒲江浦から渡海して元禄7年には一部進められており,宝永4年新田が開かれた。享保5年御立山となり,同9年佐伯藩の牧場となり,寛保3年深島から移住した赤木村(現直川村)の百姓4戸が定住,寛政6年には洲の浜の開拓が始まった(屋形島関係史料集)。明治5年の世帯は農業20・漁業1,人口143。明治初期には1島1村の性格を有し,明治20年,蒲江村に合併された。昭和30年離島振興法の適用を受けた。蒲江港・森崎港からの定期船がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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