100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

山国川
【やまくにがわ】


豊前国最大の川。建設省直轄の1級河川。古名御木川(みけがわ)。部分的に高瀬川・広津川などいわれた。耶馬渓(やばけい)火山の最高峰英彦(ひこ)山の南東山腹下毛(しもげ)郡山国(やまくに)町大字槻木(つきのき)の野峠に源を発し,上志川・長尾野川・春田川・神谷川・金吉(かなよし)川・樋山路(ひやまじ)川・山移(やまうつり)川・津民(つたみ)川・三尾母(みおも)川・木ノ子(きのこ)川・跡田(あとだ)川・屋形(やかた)川など大小約20の支流を合わせ,下毛郡山国町・耶馬渓町・本耶馬渓町の中心部を流れ,下流部は下毛郡三光村(さんこうむら)と中津市・福岡県築上郡大平(たいへい)村・新吉富(しんよしとみ)村・吉富町との境をなして周防灘に注ぐ。本流の総延長約52km・流域面積202km(^2)。下流に沖代(おきだい)平野といわれる沖積平野をつくり,川口で分流中津川との間に小祝(こいわい)島の三角洲をつくる。「豊前志」や「下毛郡誌」によれば古代には御木川(みけがわ)といわれ,深山幽谷をなし,良材を多く産していた。この川の流域を御木郡といっていたのが,御毛郡(みけのこおり)となり,のち,上・下に分かれ左岸を上毛(こうげ)郡,右岸と上中流部分を下毛郡というようになったという。その後川の名は山国川と変わり,中上流の渓谷は山国谷または城井(きい)谷とよばれてきたが,文政元年頼山陽により耶馬渓と命名され,今日におよぶ。山国川本流に沿って国道212号が中津市より日田市に通じている。川口に中津小祝漁港,福岡県側に吉富高浜の漁港,また分流中津川口に竜王の漁港があり,ともに周防灘の沿岸漁業・浅海漁業の基地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7233934