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米水津湾
【よのうづわん】


南海部(みなみあまべ)郡米水津(よのうづ)村にある湾。鶴見半島の鶴御崎(つるみさき)と丸硑(まるばえ)ノ鼻間に位置し,北西に湾入する。日豊海岸国定公園のうち。湾岸の小入江には浦代(うらしろ)・色利(いろり)浦・宮野浦・竹野浦・小浦(こうら)・間越(はざこ)などの港・漁港があり,半農半漁の集落が点在する。中でも南岸の宮野浦はイワシ・アジなどの巻網漁業の基地としてしられる。湾奥の浦代港は地方港湾で,深さ3m,小型船の好泊地である。湾内ではハマチ養殖が昭和36年にはじめられ,県下の核心地。「沿海見分記」には,「宮野浦六月六日見分,日州宮ノ浦より十一里,人家あり,何れにも船繋支へず。入口下の鼻に二本松あり,沖に大黒島・小黒島・水取と云ふ島あり,何れも船繋なし。尋(タンネと訓ず,浦代浦の属地なり)同日見分。人家あり,何れにも船繋支へず。浦代浦同日見分,尋より並び浦なり。人家あり南風悪敷,其他は何れにも船繋支へず,竹野浦同日見分,浦代浦より五町人家あり,北穴北風に船繋支へず。小浦同日見分,竹野浦より五町,何れにも船繋支へず,間越(ハザコと訓ず,浦代浦の属地なり)同日見分,小浦より一里余船繋成難く沖に横島と申す島あり,船繋無し」とある。なお,押出(おしず)ノ鼻に近い荒戸の浜には,神武天皇東征にまつわる丸井戸の伝説があり,宮野浦の迎接庵には魚の神として信仰を集めている魚霊観音がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7234145