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池島川
【いけじまがわ】


霧島火山を構成する白鳥山(1,363.1m)を源流域に北流し,加久藤盆地中央を西流して,えびの市前松原地区で川内川に合流する1級河川。川内川の1次支流。全長11km。川内川との合流点付近一帯が,中世日向の支配をめぐって島津・伊東両氏が戦った木崎原古戦場である。これを機に伊東氏の凋落が始まり,やがては近世日向の幕明けにつながったことを考えると,小河川ながら,この流域は日向の歴史にはっきりとした彩りを添えている。この川の上流には白鳥川と二双川の支流がある。白鳥川の源流近くには白鳥神社がある。日本武尊を祭神とするこの宮は軍神として崇敬され,特に島津氏が深く尊崇したことで知られる。また江戸期に行われた東大寺大仏殿再建の際には,ここから切り出された赤松の巨木が,用材として用いられており,新しくは東宮御所の造宮にもこの辺の松材が用いられている。二双川は霧島山麓を東流するもので,加久藤盆地の北縁を東流する川内川とともに,飯野地区農業にとっては計り知れない恩恵を与えている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7234340