烏帽子島
【えぼしじま】

県南部，南那珂郡南郷町観音崎の南東沖合い約１kmに位置する無人の小島。日南海岸国定公園に属する。周囲約510m，面積0.006km(^2)。島名の由来は，その形が，中世の男子のかぶりもの烏帽子に似ていることにちなむ。宮崎層群（新生代第三紀）の砂岩の浸食により，陸地の一部が切り離されて生じた岩島で，いわゆるスタックの一種である。当島の東にはホカケ・野瀬の島々，西には松島・黒島の島々がほぼ一線に並ぶ。これらの島々は，日向灘の荒波を防ぐように外之浦(とのうら)の湾口に並んで天然の防波堤となり，日向灘沿岸の無二の避難港として，かつて外之浦港を立地させた。島の周囲は水深50m前後で，10余の奇石・岩礁があり釣りに好適。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7234517