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大島?
【おおしま】


日向大島とも呼ぶ。県南部,南那珂郡南郷町中村乙の目井津から沖合い約3kmにある島。日南海岸国定公園内で最大の面積をもつ。周囲9.37km,面積2.22km(^2),標高206mで,南北に細長い。昭和32年離島振興法の指定を受けた。島名の由来は近くの島より大きいことによるものであろう。「日向地誌」によれば「目井津ヨリ東ニ距ル二十二町三十間海中ニアリ高二十丈東西十町二十間南北二十八町四十町周囲二里四町四十五間其巓松杉及ヒ雑樹ヲ生ス四面湾港ナク舟ヲ繋クニ便ナラサルヲ以テ古ヨリ無人島ナリ 天保五年甲午飫肥藩主伊東祐相数千金ヲ擲ツテ埠ヲ其内面ニ築キ漁船ヲ繋クノ所トナシ漁人捕魚ノ便ヲナシタレトモ頓カテ暴波ニ打レテ崩壊ス 弘化ノ頃マテハ伊東氏畜牧ノ地ニシテ年年良馬数十頭ヲ産セシカ嘉永ノ初ヨリ牧ヲ廃シテ農民ヲ移シテ荒蕪地ヲ開墾セシム 今ハ島民蕃衍シテ二十三戸ニ至レリ皆野稲如ハ蕃藷ヲ種テ生計トナス」とあり,飫肥藩により開かれた。地質的には新生代第三紀の宮崎層群(3,000万~700万年前)の砂岩・砂岩泥岩互層からなり,島の東側は高い絶壁をなす硬い砂岩の海食崖であり,西側には軟らかい泥岩が分布し,狭い平地が点在する。島の南端は鞍崎鼻で,灯台がある。岩盤が浅く,比較的乾燥している西側は草地で,中央部から東海岸には,亜熱帯や暖帯の植物が生い茂っている。無霜地なので,エンドウ栽培は古くから行われ,シマグワが野生するという記録もある。荒磯には南方系の貝類も生息する。集落は島の西側,数か所に分布し,専業漁家がほとんどで,昭和55年の国勢調査では,世帯20・人口80であったが,年々過疎化と老齢化が進む傾向にある。日向灘の外海に面していない波の静かな西側には,大島港(地方港湾)があり,南に竹の尻,北に小場浜(小浜)の両港がある。本土の日井津港から船で15分である。なお,大島荒平崎西岸は,日南地区にある6か所の海中公園のうちの1つである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7234549