お金ケ浜
【おかねがはま】

「おきんがはま」ともいう。県北部，日向市の海岸にある長大な砂浜海岸。日豊海岸国定公園に属する。塩見川右岸から日向市平岩にかけて南に延びる約４kmの砂浜海岸は，塩見川・赤岩川・吉野川の供給する土砂と沿岸流により，北に小倉ケ浜，南にお金ケ浜が形成される。地質的には新生代第四紀更新世の礫・砂・シルト・粘土からなる沖積層である。当浜は吉野川を中心にした海浜一帯である。地名の由来は弘法大師にちなんだもの。弘法大師は，ハマグリ採りに浜に出ていた２人の女性，お倉・お金に出会った。大師にハマグリを与えたお倉の籠にはハマグリがあふれ，一方，ハマグリを与えなかったお金の籠のハマグリは石になった。この言い伝えにちなんだお金ケ浜ではハマグリが採れない。この浜には百済の福智王が本国の乱を避け，筑紫に渡ろうとして暴風に遭い漂着したとの伝説もあり，福智王は神門(みかど)（日向市の奥地）に居を定めたといわれる。風光絶佳であるが波の荒いこの浜は，サーフィンの適地で，サーファーでにぎわっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7234601