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加江田川
【かえだがわ】


日南山地を源流域とし,宮崎平野南縁に沖積平野をつくり,宮崎市曽山寺付近の加江田・熊野を河口とする2級河川。全長20km,流域面積53.5km(^2)。この川のつくる渓谷は加江田渓谷の名で知られるが,日向ラインの別称があり,景勝地として有名である。斟鉢(くんぱち)山(500.4m)と双石(ぼろいし)山(509.3m)に挟まれたこの部分は,地質的には日南層群と宮崎層群の重なり合う場所で,礫岩・砂岩・泥岩などで構成する地層を複雑に浸食した谷と,それを覆う植生とが渓谷美をつくっている。シイ林を中心とする常緑照葉樹は,年間を通じての温暖多雨な気候条件で生育し,下草や苔類の繁茂を促している。特にシダ類はその種も多く,亜熱帯性のものを中心として南九州の代表的なシダのほとんどがみられるという。昭和45年この一帯は宮崎自然休養林として林野庁の指定を受け,遊歩道やキャンプ場をはじめ,諸施設の整備が進み,宮崎市民の格好の行楽地となっている。河口部の左岸には本県自慢の総合運動公園がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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