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潟上川
【かたがみがわ】


南那珂郡南郷町の南部を流れる2級河川。串間市との境界をなす山地を源流域として東流し潟上で外浦港に注ぐ。全長約10km,流域面積22.5km(^2)の小河川である。河口にある外浦港は古くは飫肥(おび)港とも呼ばれ,7~8世紀ごろには遣唐船の風待港として,また,10世紀ごろには日宋貿易の基地として栄えた歴史をもっている。江戸期にはいると河口付近に堤を築いて干拓工事が始まり,湾内の様子も変わっていった。「日向地誌」に「慶安三年庚寅中村ノ松田堤ヲ築カサル以前ハ本村ノ東畔皆海浜斥歯ノ地ナリ,故ニ干潟ノ上ト言義ヲ取テ名ツケシナリ」とある。これは旧潟上村の名称由来を述べたものであるが,これにより往時の河口周辺の情況が推察できるばかりでなく,川の名称が旧村名からとったものであることもわかる。ちなみに斥歯の地とは塩気を含んだ土地を指す。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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