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五ケ所高原
【ごかしょこうげん】


県の北西端,西臼杵(にしうすき)郡高千穂町にある高原。高千穂町の中心市街地三田井から北へ直線距離で約12km,道路距離にして約20kmの五ケ所地方に位置する。面積は約10km(^2),標高は約750~850mの間にある。わずかに開削が進み,多少浅い浸食谷が入り込んでいる。全体として,当高原は,大分県との県境にある九州本島第2の高峰祖母山(1,756.7m)の南西麓から西方へ,すなわち阿蘇側へ緩やかに傾斜している。当高原は,阿蘇カルデラから,第四紀洪積世の阿蘇火山砕屑流(主に溶結凝灰岩・軽石)が,第三紀中新統祖母山火山岩類(主に安山岩)からなる古い祖母山塊を溢流し,阿蘇カルデラの南東麓に広く堆積した阿蘇溶岩からなり,阿蘇外輪山の裾野の一部に当たる。高原の北と西は熊本県と境をなし,同県高森町と接する。この高原に至る交通機関としてバスが通じており,三田井を出たバスは国道325号を上野を経て河内に達し,ここで北に折れて主要地方道竹田五ケ瀬線を北上する。祖母山火山岩類の石英安山岩からなる崩野(くえの)峠(854m)の山地をトンネル(延長63m)で抜けると北方前面に広々と開けたところが五ケ所高原である。高原の中央部やや南寄りを高原東方の祖母山西麓から発した支谷が水を集めて西流し,大谷川となって北西方向へ流出していく。同川は大分市に達する大野川の支流で,この大谷川によって高原は北部と南部に二分され,南部に展望台をもつ三秀台(840m)が位置している。高原には針葉樹混じりの落葉広葉樹林地と原野が残っているが,比較的平坦な所ではすでに開墾され普通畑となっている。原野の一部は放牧地に利用され,高原南部には西臼杵牧場が経営されている。ここは「五ケ所・黒土・寒所」と古くからいわれており,平均標高800m台の高原であるため,気温は低く,年平均気温12℃の高冷地で,一毛作の畑地となっており,夏はトウモロコシのほか,高冷地野菜としてハクサイ・キャベツの栽培が盛んで,延岡・宮崎へ出荷している。なお,高原には円墳3基,横穴墳2基の古墳がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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