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小場島
【こばしま】


かつてはコバ島とも書いた。南那珂郡南郷町の沖合いにある無人の小島。日南海岸国定公園に属している。周囲約1,730m,標高57.8m。「日向地誌」には「七ツ八重ヨリ南ニ離ル十間高六丈 周囲十五町」とある。島名の由来は定かではないが,木畑作といわれる焼畑農業を思わせる。島の形は南北に細長く,急崖が海に迫っている。日南海岸の油津から築島に至る海岸や島には,新生代第三紀宮崎層群(3,000万~700万年前)の基底礫岩や砂岩が,浸食にさからって残っている。当島周辺の七ツ岩・ビロ岩(ともに日南市)などの岩礁は,浸食の結果,陸地の一部が切り離されて形成されるスタックになっている。宮崎層群の硬い砂岩が浸食され,残った姿が,離れ岩や奇岩や小島といったものになり,独特のスタック地形を展開している。当島西岸の海底は起伏が多く,岩が広がる7~8mの深さにムラサキウニが生息し,浅いところにはトゲトサカなどが群生し,魚種も豊富である。東岸と七ツ岩,ビロ岩を結ぶ深さ3~4mの海底にはテーブルサンゴ・枝状サンゴなども多い。なお,七ツ岩・小場島西岸は,日南地区にある海中公園6か所の中の1つである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235015