100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

山西
【さんせい】


旧国名:日向

(中世)鎌倉期~戦国期に見える広域地名。日向国諸県(もろかた)郡のうち。諸県郡山之口町青井岳天神嶺を境界にその西をいう。文保2年3月23日付関東下知状(樺山氏文書/旧記雑録前1)によれば,島津忠宗が北郷資久に譲った樺山・石寺・島津・しもかはら・河南の内北郷三分一は「日向国山西」と呼ばれている。室町期になり,島津久豊が応永30・31年と加江田城攻めを行っているが,その合戦の様子が「去程ニ油ニ長々勢を御待逗留候而夫より七浦ニ合戦ハなけれとも,諸軍勢之労ニ及,山西ニ而存ニ替リ敵之なきは川北・河南ニも物言なとも有か」と記されている(山田聖栄自記/鹿児島県史料集7)。また,文明10年10月吉日の旦那書立(米良氏諸国旦那帳/新編埼玉県史資料編5)に,「日向国山西先達三人,自但馬方〈池道分〉 八貫文」と見える。なお,「宮崎県の歴史」によれば,青井岳天神嶺以東を山東,以西を山西とよび,山西は都城盆地に限らず,飫肥(おび)や薩・隅など島津氏の勢力圏を指しても呼ばれたものという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7235108